さわやかなイメージで、ケガには縁遠いように感じられるテニス。
サッカーのような接触プレーはないので、大けがにつながる事故は比較的少ないといえます。
それでも、転んでケガをすることもあれば、ダブルスパートナーとぶつかったりラケットが当たったりとそれなりの危険は潜んでいます。
また、打球が相手の顔に当たるなどしてケガをさせてしまうケースも考えられます。
もし子供が競技テニスをしていれば、そういった危険性はより高くなりそうです。
テニススクールでテニス保険を勧められることもありますが、本当に必要なのか考えてみました。
ポケット保険テニスコース本人タイプを基準に検討してみる
ポケット保険 は三井住友VISAカード会員が加入できる保険になります。
クレジットカード会員限定ですが、このポケット保険にはゴルフコースや自転車コースなど、あらかじめ14コースが用意されています。
その1つとしてテニスコースがあり、テニスプレー中および日常生活全般のリスクに対する保険となっています。
今回、このテニスコースを基準にして調べてみました。
ポケット保険テニスコースの補償内容
ポケット保険 のテニスコース本人タイプはテニスをプレーしているときはもちろん、自転車に乗っているときやスキー・スノーボードをしているとき、国内旅行中なども補償されます。
本人タイプの具体的な補償内容と金額は以下のようになっています。
補償サイズ | Sサイズ | Mサイズ | Lサイズ |
傷害死亡・後遺障害 | 100万円 | 300万円 | 500万円 |
傷害入院(日額) | 1,000円 | 2,000円 | 3,500円 |
傷害通院(日額) | 500円 | 1,000円 | 1,750円 |
携行品損害 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
日常生活賠償 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
月額保険料 | 600円 | 1,100円 | 1,720円 |
本人タイプのほかに、夫婦タイプ、子どもや同居の親族も補償対象になる家族タイプも用意されています。
死亡・入院・通院と携行品損害は契約者のみ補償されますが、「日常生活賠償」については子供や同居の家族も補償されます。(本人タイプや夫婦タイプでも)
テニスコースの補償内容を見ると、3つの補償の組み合わせで成り立っています。
- 死亡・入院・通院に対する「傷害保険」
- 所持品の紛失や盗難、破損に備える「携行品損害」
- 加害者になったときのための「日常生活賠償」
そのため、それぞれの補償について必要かどうか考えてみます。
ポケット保険の傷害保険について
傷害保険は、事故によるケガ(下記参照)が補償対象となっています。
「ケガ」とは、急激かつ偶然な外来の事故によって身体に被った傷害をいいます。
「急激」とは、「事故が突発的で、傷害発生までの過程において時間的間隔がないこと」を意味します。
「偶然」とは、「保険事故の原因または結果の発生が被保険者にとって予知できない、被保険者の意思に基づかないこと」を意味します。
「外来」とは、「保険事故の原因が被保険者の身体外部からの作用によること、身体に内在する疾病要因の作用でないこと」を意味します。
「傷害」には、身体外部から有毒ガスまたは有毒物質を偶然かつ一時に吸入、吸収または摂取した場合に急激に発生する中毒症状(*)を含み、次のいずれかに該当するものを含みません。
テニスプレー中はもちろん、ゴルフやスキー、スノーボード、ハイキング(ピッケル、アイゼン、ザイルなどの登山用具を使用しないもの)をしているときも補償されます。
さらに、歩いていたり自転車に乗っているときなど、日常生活における事故も対象です。
ただ、事故によってケガをした場合のみで、病気については補償外となります。
生命保険や医療保険であれば事故と病気の両方とも補償されることが多く、この点については大きな違いになります。
もし入院や通院に備えるなら、病気も補償される医療保険に加入したほうが安心です。
ポケット保険の携行品損害について
携行品損害は、持って行ったモノが壊れたり盗難に遭ったときに補償してくれます。
テニスラケットやテニスシューズ、カメラなどが補償されており、テニス以外の外出時も対象になります。
補償対象 | カメラ バッグ ウェア・衣類 レジャー用品 |
その一方で、補償外のモノが多くあります。
特に、スマホやタブレット等の電子機器、自転車など、日常的によく使うものが補償外なので注意が必要です。
補償外 | 携帯電話 スマホ タブレット ノートパソコン 自転車 サーフボード めがね コンタクトレンズ プリペイドカード 電子マネーなど |
盗難については補償されますが、紛失や置き忘れについては補償外となります。
また、故意による破損、ガット切れなどの自然消耗や劣化も対象外です。
それ以外の補償対象品であれば保険金を受け取れますが、購入したときの価格ではなく「再調達価額」が基準になります。
「再調達価額」とは、損害が発生した時の発生した場所における保険の対象と同一の構造、質、用途、規模、型、能力のものを再取得するのに必要な金額をいいます。なお、再取得に必要な額は、被害物を購入したときの金額より低い金額となる場合があります。
テニスラケットであれば、その時点での中古品相当額が支払われることになります。
さらに、免責金額(=自己負担金、1回の事故につき5,000円または損害額の10%に相当する額のうち、いずれか高い額)が差し引かれます。
たとえば、新品3万円のラケットが盗難に遭った場合、中古相当額2万円 ー 免責5,000円 = 受取額1.5万円 になります。
つまり、保険金だけで同じような新品ラケットが買えるわけではありません。
買い替えの足しにはなりますが、保険に加入していてもそれなりの自己負担を強いられます。
しかも、よく使うスマホや携帯電話、自転車が補償外なので、なんとなく物足りないかもしれません。
ポケット保険の日常生活賠償について
日常生活賠償については、一般的に個人賠償責任保険と呼ばれており、加害者になったときに備える保険です。
本人コースや夫婦、家族のどのコースにおいても、契約者本人に加えて配偶者や同居の親族も補償対象になります。
テニスプレー中にラケットがぶつかったり、打球が相手の顔に当たってケガをさせてしまったときなど、賠償責任があるときにその金額を代わり支払ってくれます。
また、下のような日常における過失についても補償されます。
- 自宅の水漏れにより階下の他人の部屋を水浸しに
- ゴルフプレー中、あやまって他人にボールが当たりケガをさせた
- スノーボードで滑走中、子供と接触し、骨折させた
- 波乗り失敗。サーフボードが飛んで、他人の頭に直撃しケガをさせた
- ルアーをキャスト時、背後の釣客にルアーが引っ掛ってしまいケガをさせた
- ベランダから花びんが落ちてしまい、他人の車にキズをつけた
- 自転車で歩行者に接触し、ケガをさせた
- 買い物中、店頭に飾ってあったつぼをあやまって落として壊した
テニス保険ですが、特にテニスをしていなくても、日常生活における賠償責任が広く網羅されています。
しかも、保険金1億円、家族も補償対象と充実した補償内容になっています。
特に、自転車事故では高額な賠償判決が出ているので、家族のうち1人でも自転車に乗るなら心強い保険になりそうです。
なお、万が一のときは被害者と示談交渉する必要がありますが、ポケット保険 には保険会社が交渉を代行してくれるサービスが付帯しています。
当事者同士による示談交渉は精神的負担が大きいので、この 示談交渉代行サービス は欠かせない存在といえます。
また、携行品損害と同じように、免責(自己負担金)5,000円が設定されています。
ただ、人身事故などの高額賠償に備える目的なので、少額な免責をそれほど気にする必要はなさそうです。
必要な補償内容はどれ?
繰り返しになりますが、ポケット保険 のテニスコースは下の3つの補償の組み合わせでつくられています。
- 死亡・入院・通院に対する「傷害保険」
- 所持品の紛失や盗難、破損に備える「携行品損害」
- 加害者になったときのための「日常生活賠償」
「傷害保険」は病気が補償外となっているため、必要であれば生命保険や医療保険に加入したほうが良さそうです。
また、「携行品損害」は、盗難や破損時に新品に買い替えられるほどの保険金はもらえません。
テニスラケットは高額ですが、受け取れる保険金から考えるとそれほどの必要性はないといえそうです。
「日常生活賠償」については、テニスをしているとき以外でも補償されます。
自転車で他人にぶつかったときなど、高額な賠償金になることが多い人身事故でも補償されるのでおすすめです。
日常生活賠償(個人賠償責任保険)がおすすめ!
結局のところ、テニス保険としては、日常生活賠償(個人賠償責任保険) に入れば十分といえそうです。
そのうえで、自分自身の病気やケガに備えるなら、生命保険や医療保険に入るのがおすすめです。
ポケット保険 のテニスコースはセット保険になりますが、「自由設計コース」であれば補償内容をネット上で自由に変更することができます。
必要な補償だけに絞ることで、傷害入院500円/日と日常生活賠償1億円なら月額190円と、テニスコース600円よりも大幅に安くなります。
しかも、申し込みから変更、解約まで、すべての手続きがネットで完結するのでカンタンです。
クレジットカード会員限定の保険になりますが、必要に応じてキャンセル費用や弁護士費用などの補償を追加することも可能となっています。