硬式テニスボールは、保管しておくだけでも次第に空気が抜けていきます。
空気が抜けると弾みにくく飛ばなくなるため、できれば空気が満タンの状態で使いたいものです。
ただ、ソフトテニスの軟式ボールのように、いつでも手軽に空気を入れる仕組みはありません。
そのため、一般的にはボールの空気が抜けてきたら、まだ使える状態でも交換してしまうことが多いです。
とはいえ、まだまだ十分使えるボールを捨てるのは忍びないです!
購入したときのように空気圧をかけて保管しておけば、ボールから空気が抜けるのを防ぐことができます。
そこで、硬式テニスボールを保管する加圧容器の自作DIYにチャレンジしてみました。
加圧・保圧容器に使うもの
まずは、加圧容器に必要なものを紹介します。
品名 | 値段 | 補足 |
米式バルブ11.5mm | 400円程度 | 型番TR413 |
ネジ式掃除口65mm | 600円程度 | NCO65 か NCO75 がおすすめ |
VU継手・ソケット65mm | 100円程度 | ホームセンターで取り扱いあり |
VU排水管50cm×65mm | 400円程度 | カインズでカット品がありました。 そのほかのところでも100円程度でカットしてくれます。 |
VUキャップ65mm | 200円程度 | ホームセンターで取り扱いあり |
ホームセンターに行くとDV管とVU管の2種類が置いてあります。
2つの違いはDV管が肉厚に対して、VU管は肉薄になります。
本来の排水管とは違う使い方をして空気圧をかけるため肉厚のほうが安心ですが、その代わりに容器が重くなるデメリットがあります。
肉薄のVU管の場合、破裂する可能性があるので注意が必要です。
個人的には肉薄のVU管でDIYしており、実際に破裂したり欠けたりといったトラブルに見舞われています(後述)
米式バルブは型番TR413がおすすめ
加圧容器に空気を入れるためにバルブを取り付ける必要があります。
TR413は自動車のタイヤに使われるエアバルブで、5年以上利用していますが空気漏れもなく耐久性が高いです。
ネジ式掃除口はNCO65かNCO75がおすすめ
口径65mmのNCO掃除口でテニスボールの出し入れに少しひっかかる状態です。
軽く押しながらテニスボールを入れて、容器を振ってボールを取り出す感じです。
口径75mmであれば切っかかることなくスムーズに出し入れできます。
NCO75で1日程度、NCO65なら3日ほど空気圧を維持できますが、少しずつ空気が抜けていくので入れ直す必要があります。
NCOシリーズをホームセンターで探したところ、近所のコーナンに置いてありました!
ただ、コーナン楽天市場では取り扱っていないようなので、店頭で探す必要があります。
一方、ホームセンターに行くと、下のようなイコール(=)の形をした掃除口が見つかります。
この掃除口で保圧容器を自作したところ、気密性が低く半日持たずに空気圧が大幅に下がってしまいました。
そのため、=形状の掃除口よりもNCOシリーズのほうが機密性が高くおすすめです。
自作に必要な工具
品名 | 値段 | 補足 |
塩ビ用接着剤 タフダイン青100g | 400円程度 | 排水管売り場の近くにあります |
ドリル11.5m | 500円程度 | 掃除口のバルブを取り付ける穴をあける |
ヤスリ | 100均 | 穴のバリを取るため |
ペンチ | 100均 | 穴にバルブを取り付けるときに |
ハケもしくは筆 | 100均 | タフダインを塗るため |
バルブを取り付けるために、掃除口にドリルで穴をあける必要があります。
電気ドリルや充電式インパクトドライバーを使うなら、下のドリルがおすすめです。
このドリルで穴をあけてヤスリでバリを取れば、11.5mmのバルブが取り付けられるようになります。
ただ、ジャストサイズなので、バルブの取り付けにはかなりの力が必要です。
実際、穴が小さくてあきらめそうになりましたが、ペンチやプライヤーでひねりながら引っ張ったらなんとか入りました!
取り付けはタイヘンでしたが、その分だけ密閉度が高くなるのでおすすめです。
そのほか、ヤスリやペンチ、筆など、ちょっとした工作グッズは 100円ショップ で手に入ります。
テニスボールの空気入れに必要なもの
品名 | 値段 | 補足 |
空気入れ | 1,000円程度 | 米式対応のもの |
エアゲージ | 500円程度 | 空気圧測定のため |
米式バルブに対応した空気入れが必要になります。
また、保圧容器に空気を入れすぎると破裂する危険があるため、気圧を測るエアゲージも欠かせないです。
下のようにゲージ付きの空気入れがあるので、3,000円程度と少し高いですが空気圧を測りながら利用できるのでおすすめです。
テニスボール保圧容器の作り方
最初に、掃除口に穴をあけておきます。
このとき、下のよう写真のように棒などテコの原理を使ってフタを開閉できるように、真ん中ではなく端に寄せたところに穴を開けます。
穴が開いたらヤスリでバリを取って、バルブをはめておきます。
続いて、排水管をタフダインで接着していきます。
タフダインは塩ビ管を溶かしてくっつける仕組みなので、塗ったら早めに組み合わせます。
しっかり奥まではめ込めるように、体重をかけるなどして思いっきり押したほうがスキマなく接着できます。
なお、強烈なニオイがするので、換気の良い場所で行うほうが安全です(^^;
乾かしたらひとまず出来上がりです!
実際に軽く(100kPa程度まで)空気を入れて、お風呂の湯船に沈めて空気漏れがないか確認します。
もし空気が漏れているようなら、その場所に再度タフダインを塗ってふさいでいきます。
何度か繰り返して空気漏れがなくなれば完成です!
テニスボール保圧容器の使い方
硬式テニスボールを入れてフタを閉め、最後に空気を入れて置いておくだけです。
ただ、破裂する恐れがあるので、200kPa以上にしないように注意しましょう。
万が一に備えて、空気を入れるときは加圧容器からできるだけ離れて作業したほうが安全です。
新品ボールの空気圧を維持していくだけなら100kPa程度あれば十分です。
1日1回、空気圧が下がっていないかチェックして、もし下がっていたら空気を追加していけばOKです。
テニスボール30球をまとめて保圧できる大型タイプ
直径15センチ、長さ50センチの塩ビ管を使うと、テニスボールが30球くらい入る加圧容器を作ることができます。
大型タイプに必要なものは以下になります。
品名 | 値段 | 補足 |
米式バルブ型番TR413 | 400円程度 | アマゾンで購入 |
ネジ式掃除口 NCO75mm | 1,000円程度 | 楽天市場で購入 |
DV継手150mmx75mm | 600円程度 | 楽天市場で購入 |
VU排水管150mm×50cm | 1,600円程度 | アマゾンで購入 |
DVキャップ 150mm | 900円程度 | 楽天市場で購入 |
接着剤タフダイン100g | 800円程度 | 楽天市場で購入 |
大きめの筆 | 110円 | 100均ショップで購入 |
売り切れのときが多いですが、アマゾンで 0.5メートルにカットされてVU排水管150mm で販売されいます。
ただ、送料が高くなるほか、全体のサイズ感も分かりにくいので、近所のホームセンターで購入したほうが良さそうです。
カインズでは、あらかじめ0.5mにカットされたVU排水管150㎜が販売されていましたが、そのほかのホームセンターでも有料でカットしてくれるところがあります。
有料カットであれば、長さを調整して保管したいボール数に合わせることもできます。
また、ネジ式掃除口は大量のボールを出し入れしやすいように、口径75mmのNCO75を使用しています。
また、底フタは肉薄のVUキャップでも使えます(破裂した経験あり、後述)が、より安全を期すなら肉厚のDVキャップをおすすめします。
米式バルブ型番TR413については楽天市場でも取り扱っていますが、アマゾン4個セットと楽天市場1個が同じ値段だったのでアマゾンでの購入となりました。
塩ビ管用の接着剤タフダインは、一番小さい容量の100gでも余るほどです。
あと、タフダイン自体にハケが付いていますが大型タイプで使うには小さ過ぎるので、100均で大きめの筆を用意しておくと便利です。
全部で5,000円以上かかりますが、テニスボール30球ほどをまとめて保圧しておけるので便利です。
直径15センチ保圧容器の底が破裂しました(´・ω・`)
直径15センチ、長さ50センチの保圧容器は、約30個のテニスボールが入ります。
球出し用のボールを大量保管しておくのに重宝していましたが、約2年半使ったところで上の画像のように底が破裂してしまいました。
ただ、爆発してボールや破片が飛び散るようなことはなく、ヒビが入り空気が漏れ出して割れたので、保管場所の周辺への影響はありませんでした。
ただ、状況によって保圧容器が転倒する可能性があるため、保管場所には注意したいところです。
なお、気圧を200kPa以上にすることはありませんでしたが、平均すると180kPa程度だったので少し高すぎたのかもしれません。
肉薄のVU管の場合、より安全に160kPa以下で運用する必要がありそうです。
掃除口(ボールを出し入れするフタ)が欠けました(´・ω・`)
しっかりフタを閉めたほうが空気漏れが少ないので、レンチを使ってテコの原理で閉めていたら欠けてしまいました(涙)
空気漏れなどの悪影響はありませんが、フタを開閉しにくくなってしまいました。
あらかじめ破損することを想定して、予備のフタを作っておいたほうが良さそうです。
特に、NCOシリーズの掃除口は店頭で見かけることが少ないないので、通販で購入するケースもあります。
掃除口1個の購入でも送料がかかるところが多いので、予備を含めて購入しておくと安心です。
また、個体差があって密閉度が違うため、空気漏れが激しくなったときに備えて準備しておきたいところです。
楽天市場で同等のテニスボール保圧セットを購入する(売り切れ)
以上のように加圧容器を自作することで、硬式テニスボールの空気漏れを防ぐことができます。
週末に大量のボールを使って球出し練習するなら、大型の保圧容器を自作して保管しておくと便利です。
とはいえ、自作するのはそれなりの時間と危険が伴います(^^;
もし自作DIYが心配だったりテマを省きたいときは、楽天市場で同等品の テニスボール加圧保圧器セット(売り切れ)を購入することができます。
予備フタ、空気圧測定具付きで9,800円となっています。
テニスバッグに入るテニスボールセーバー
テニスボール2、3球の保管であれば、テニスボールセーバーもおすすめです。
1容器に3球、テニスバッグに入るサイズでコートへ持っていくこともできます。